「水無月くん・・・」

「黒子。話しかけるな。俺は今透明人間なんだ!」

「無理があるだろ」


俺は今体育館の隅っこで体を小さくして耳を塞ぎ隠れている。

顔を上げれば真っ赤だろう。

その理由?

そんなもん隣にいる黒子たちに聞けよ。


「だーかーらー部活終わったら俺とニャンニャンすんの!」

「ニャンニャンするのは俺っス!」


体育館の中心で聞こえる不穏な発言。

Q.ここは何処でしょう?

A.誠凛高校の体育館

ふと視線を反らすといい笑顔で笑っているカントクと、胃に手を当てている主将が見えた。

その近くに緑間が1人ラッキーアイテムの槍を持って立っているのがシュール。

いや、今はそれどころじゃない。

このバカ達をどう止めればいいのかを考えなければいけなかった。

そして俺は後悔する。もうちょっと早めに止めればよかったと。


「黄瀬、知ってんのかよ。燐ちゃんは乳首より耳の方が感じるんだぜ!」

「そっそれぐらい知ってるっス!水無月っちは動くよって言った瞬間キュウキュウ締め付けるんスよ!」

「・・・そうなんですか?水無月くん」

「へぇ」

「うあああああああアイツらだいっきらいいいい!」


何を誇らしげに言ってんだアイツら。

俺の羞恥心を考えてない。

というか頭の中ではきっとヤる事しか考えてない。


「早く2人をどうにかしないとカントクからお叱りきますよ、水無月くん」

「そりゃわかってるけど無理。あの中に入るのは無理」

「そりゃ近づきたくないのも分かるけどやべーぞ。あのまま行ったら」


分かってる。言われなくても分かってんだよ、火神。









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