制服採寸の時に初めて見とれた人。それが燐ちゃんだった。
おどおどとしながらお兄さんみたいな人と一緒に体操服のサイズを合わせていた。
声かけよっかなって思ってたけど隣にいるお兄さんがそれを許さないと言わんばかりにずっといるから辞めた。
今思うと勿体無い事したよ。だってこんなに可愛い人を易々と1ヶ月ぐらい放置してたんだもん。
緑間 Side
水無月を見たのは入学式の時。
隣に座った俺よりも明らかに身長が低い男。
黒子といい勝負といった体格。しかし表情は見て分かるのだよ。
大きな目が少し揺らぎ不安と緊張が高まってる、そう俺には読み取れた。
今日のおは朝で運命的な出会いを果たすと言っていたがこの事かと俺は理解し話しかけようとした。
「あ、キヨちゃん!」
「おー燐。改めて入学おめでとう。制服でかかったな」
「キヨちゃんが成長するからこれぐらいでいいって言ったんじゃんか!」
しかし、タイミングを逃し先輩だと思われる人に全てを取られたのだよ。
不安と緊張を映していた瞳はいつの間にか消え、代わりに期待と希望が差し込んでいた。
彼とは同じクラスになりその時に名前を知った。
そして話しかけられていたのは大切な幼馴染なのだとはにかみながら笑う姿を見て、
俺はその時自分の胸の中が黒く濁った事を感じ取った。
高尾 Side
それからバスケ部に入部して、真ちゃんという素敵な相棒様に出会って、あの子を探した。
入部したての時は自主練もしてないのにバテバテで体育館の床で死んでた時もしばしばあった。
宮地さんっていう人はこえーし、他の先輩もよくわかんねーしさ。
その時だった。
「キヨちゃーん!これー!」
「ん?おお。燐サンキューな」
燐ちゃんが笑顔でやってきた。タッパーを抱えてあの鬼の宮地さんに抱きついた。
誰この人!?って困惑したくなるほど宮地さんは笑顔で燐ちゃんを抱きしめ返す。
先輩たちは知っているのか微笑ましそうに見てたし。
そんでもって驚いたのは他人に興味のない真ちゃんが嫉妬心剥き出しで宮地さんを睨みつけていた。
あれは最高傑作だと今でも思い出して笑える。
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