合宿2日目。

今日はとんだアクシデントが起きた。

まずはライバル校の秀徳と合宿地が被った事。

これに関しては誠凛側としても学ぶ事が多かったため願ったり叶ったり結果オーライ。

試合は負けてしまったがやはりそこは強豪校と新設校の力の差だろうと日向たちも重く受け止めた。

かといえ負けるわけにはいかない。

明日こそ負かすと心に決めて、風呂から上がる。



アクシデントはそれだけでは終わらない。

チームメイトである歩の姿がお昼から見えないと心配していたら秀徳側のベンチにちょこんと座っていたのだ。

秀徳の女子制服に身を包んで。

涙目になりながらスカートをできるだけ伸ばす姿は誰が見ても可愛らしい光景。

特に歩の事を性的に好いている黒子や火神、木吉には効果が強く出て試合でも見たことのない力を出したのだ。

この力があれば桐皇戦勝てたんじゃないのかと伊月は試合の最中心の中で呟く。

しかし残念な事に秀徳側にもその力は及び、エースの緑間を始め、相棒の高尾、そして宮地をパワーアップさせてしまった。

無理もない。顔を真っ赤にして涙目で助けろ!って言われたら誰だってクラっと来てしまうものだ。

それが中学から一緒の日向や伊月であっても。


「・・・ちょ、離せっ!」

「やーだよ」


日向と伊月は風呂から上がり、少し髪を湿らせたまま部屋に戻ろうとしていた。

ペタペタと長い廊下を歩いていると何処からか声が聞こえる。

争ってでもいるのだろうか。

少し疑問に思った2人はその声のする方へと耳を傾ける。


「何捲ってんだ!ひぇっ!?」

「へぇー。結城、脇も弱いのか」

「(結城!?)」


2人はお互いの顔を見合わせ、汗を一粒流す。

今目の前にある扉一枚の中では歩がいる事がわかった。

そして、歩以外にもう2人。

声からするに高尾と宮地と言った所だろう。

これはマズい事になったと伊月は考える。

日向もまた頭の中で最悪な状態を描いていた。


「日向・・・」

「ったくアイツ!伊月開けるぞ」


まだ間に合う。そう2人は意を決し扉を開けた。


「おい!結城!」

「大丈夫・・・って」

「ひっ日向!伊月!」


歩は昼の格好のまま、押し倒されスカートの中から手を入れられていた。









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