「えっと・・・宮地・・・サン?」

「んだよ?」


背中を向けているから表情が読み取れないがこれは確実に怒っている。

声でヒシヒシと伝わる怒り。

俺は意を決して口を開いた。


「あのぉ・・・手をどけてもらったら嬉しいな、って」

「お前さぁ、嘘付いたら泥棒の始まりだぞ。泥棒になった記念に一発轢かれるか?」

「遠慮いたしますぅぅぅ!」


宮地さんはガッと空いてる方の手で俺の肩を掴み、強制的に向かい合わせる。

この時の顔は今までに見たことのないほど怖かった。

アレの時でイライラして俺らに八つ当たりをしているリコより怖かった。

若干内股でビクビクしていると、ドアをついていた手をドアから離して顎を持ち上げる。

そして、女の子なら声だけで孕んじゃうと言わんばかりの艶やかな声で言った。


「轢かれるか撮られるか犯されるかどれがいい?」


ハハッそこに帰されるっていう選択肢はないんですね、宮地さん。

涙目になりつつ俺は口を開く。


「撮られる方でお願いしまぁぁぁす」





そんな経緯があり絶賛宮地さんの部屋で撮影中だ。

ちなみに今のでゆりクロちゃん写真集の半分が見れるぞ!

宮地さんどんだけ撮ったんだって話だ。


「結城ー。次これなー」

「っ変態!」

「写真集」

「ウレシイナー歩ガンバッチャウ!」


そんなやり取りが着替えさせられる度に起きる。

推しメンの衣装やら定番のナースやスーツ、後昔俺が着せられてた白いワンピースなどなど。

ただのドルオタだと思ってたけどそれ以上だったわ。うわぁ・・・。


何十枚取られたか分からない写真もそろそろ終盤らしく、最後にと渡されたのは秀徳の制服の上着だけ。

上着だけ・・・まさか、まさかだと思うが・・・


「あ、結城勿論全裸に上着だぞ」


ですよねー。









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