「次はこの服着てこのポーズだかんな、結城」
「うっうっ・・・もういいじゃないですかぁ〜。宮地さぁ〜ん」
「・・・写真集」
「すいませんでっしたぁぁぁぁぁ!」
話は3時間程前に戻る。
その日俺は宮地さんの電話で家にお呼ばれされた。
買おうか買わまいか迷っていた写真集、しかも初回限定盤を見せてやると言われてホイホイついて来ちゃった訳だが。
ちなみに部屋はとても片付いてた。
俺の家みたいに堂々とフィギュアとかそういうのは置いてなくて、バスケとアイドルものがちょこちょこ顔見せてるだけ。
ただしドアに俺の黒歴史がデカデカと貼ってあったのは剥がさせてもらった。
こんなん何処で手に入れたんだよ・・・!
姉貴か!姉貴なのか!?
「それより宮地さんゆりクロの写真集何処ですか?」
「せっかちだなぁ・・・おっこれこれ」
本棚の一番上に片付けられた白い表紙。
そこには可愛い女の子が3人映っていた。
ほらよ、と宮地さんは俺の頭上まで持ってきてくれた。
俺はそれをありがたく受け取ろうとした。
が、受け取ろうとする俺の手は虚しく虚空に舞う。
「むっ」
立ち上がって取ろうとするが、宮地さんのくっそ長ぇ身長のせいで届かない。
「見せてくれるって言ったじゃないですか!」
「おー見せてやるとは言った。しかし俺はタダでとは行ってねーぞ」
「は?」
タダじゃない?
金でもとる気かよ。この金髪長身ドルオタ!
睨みつけると宮地さんはニヤニヤ笑う。
うっわ。すっげー嫌な予感しかない。
「金はいらねーよ。けど1ページ見せるにつきお前のコスプレ写真1枚な?」
「なんだーそんな簡単な事でいいんですか〜・・・ってはぁぁぁぁ?」
「今いいっつったもんな?ちなみに訂正はなしだぞ。俺の携帯で録音済みだ」
宮地さんはしてやったりと言わんばかりの笑みを浮かべる。
嫌な予感とかそういう問題じゃなかった。
ギギギと鈍い金属ような音を立てて俺はドアの方へと向かう。
アデュー!ゆりクロちゃん!
俺皆のこと好きだけど自分のプライドまで投げる事はできなかったわ。ハハッ
ドンッ!
ドアノブに手をかけた瞬間、俺の顔すれすれを通って宮地さんの長い腕がドアを押す。
所謂壁ドン。
かわゆい女の子相手にしてみたい俺の萌えシチュの1つ。
しかし別に俺はされたいわけじゃない。いや、ヤンデレ女子ならいいかも。
ただし女の子に限る!男は論外!
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