「手をどけなよ、燐。見えないじゃないか」
「水無月ちんー。赤ちんの命令は〜?」
「ぜった・・・いやだぁぁぁ!」
「ったく我が儘言ってんじゃねーぞ、水無月」
今、俺は窮地に立たされている。
窮地というか羞恥だ。羞恥。
「へーい!今日は珍しく1日休みになったんで王様ゲームしようっス!」
「却下なのだよ」
「消えろ」
「黄瀬くんうざいです」
黄瀬が朝早くに赤司の家に招集してきたと思ったら王様ゲームとかどういう事だ。
もちろん半数は黄瀬に対して文句タラタラ。
「えーいーじゃん。楽しそう」
「ま、いいんじゃね?」
しかし面白い事大好き頭の中お花畑な紫原と青峰は黄瀬に賛成の模様。
赤司なんか黙々と割り箸割ってくじ作ってるんだけど、どういう事なの。
「お前ら何黄瀬に感化されているのだよ。くだらない事に呼び出された事に対して怒りはないのか」
「んーそれよりもさ、水無月ちんハメない?」
「面白そうですね。詳しく話聞かせてくださいよ」
「さっすが黒ちん。ノってくれると思ったー」
「お前ら・・・」
黄瀬に振り回されていた俺は寒色カルテッドがそんな話をしていた事に気づかなかった。
「それじゃー行くっスよ!王様だーれだっ!」
黄瀬の手から抜いた赤司特製くじを見る。
赤い印がないのを見て王様じゃないのがわかる。
4か。
「やりっ俺王様〜」
「げっ青峰とか嫌なヤツに当たった」
「いきなり変な命令はなしですよ?」
わかってらぁと青峰は言って数分悩む。
そしてニヤリと嫌な笑みを浮かべ口を開いた。
「んじゃあ4番のヤツは俺の膝に座る事」
「・・・・」
「4番は誰なのだよ」
「俺違うよー。黒ちん?」
「そんな訳ないでしょう。僕じゃありません」
「僕でも緑間でもない、ということは」
皆の視線が俺に突き刺さる。
俺は下を向いてプルプルと震えた。
「ほーら水無月俺んとこ来いよ」
「っこのガングロ中二病め!」
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