俺は今日の成果を書いたボードをカントクに渡し、コガと水戸部がいる場所へと向かう。

コガは俺の言った通り靴と靴下を脱いでうつ伏せになって待っていた。

俺は片足を持ち上げて、もう片足は自分の体で固定する。


「んじゃ行くぞ」

「おーい!」


親指で踵に向かって押していく、それから自分の手を拳骨にして足の裏を揉んだり、叩いたり。逆の足も同じようにやっていく。


「んじゃ、次ふくらはぎなー」

「ん〜」


足の裏が終わった時点でコガは眠たそうな声で返事をする。

水戸部はそんなコガの様子に笑う。


「水戸部ぇ〜笑うなぁ〜!水無月のマッサージ気持ちいいのはお前だって知ってんだろ?」

「・・・・・」

「ふふふ。水戸部も知ってるって」

「はいはい。んじゃ、次太ももな」


そう。俺の特技はマッサージだ。

俺の父親はあん摩マッサージ指圧師で病院で勤めている。

そんな父親の背中を見てきた俺も今じゃ母親を唸らせるほどのマッサージができるようになった。

もちろん父親にはまだ程遠いけど、高校出たらそっちの道へ行こうって思っている。

という訳で自分でも言うのもアレだけど部活終了後は引っ張りだこだったりする。


「ほいっコガ終わり。次水戸部な」

「ん〜ふぅ。部活終了後には水無月にマッサージしてもらわないと次の日辛くなっちまったよ。サンキュー」

「ったく人任せにしやがって。ちゃんと風呂上りに言った事してるよな?」

「もちろーん!水無月の方が分かってんでしょ?そーいうとこ」

「筋肉のこわばりもないし、いい感じなのは分かってる。調子に乗んなよー」


コガと水戸部が終わったら次は木吉と伊月だ。

2人は部室でやるのが多い。

俺は体育館から出て部室へと向かう。

部室に入ると滴り落ちる汗を拭き取っている2人の姿があった。

どうやら1年トリオは既に帰ってしまったらしい。

アイツらも遠慮せずに頼ればいいのになぁ・・・。


「おっ!水無月もう終わったのか?」

「もち。どうやらコガは今日遊んでたっぽいな。筋肉が柔らかかった」

「おー怖っ。日向やカントクの眼よりも水無月の手に逆らっちゃいけないな」

「冗談言ってんなよー。ほら横になれって。後ろつっかえてるし」

「木吉先すればいいよ」


トイレ行きたいしと伊月は席を立つ。

木吉はんじゃーお先ーと俺の前に靴と靴下を脱いで寝転がった。









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