「誠凛ー!」

「ファイオー!!」

「オー!」


俺は運動音痴だ。

走ればつまづいて転び、泳げば足が攣って溺れ、自電車に乗れば倒れて流血沙汰。

ざっとあげるだけでも周りの人に引かれてしまうほどの運動音痴。

だけど、本人至って運動好き。

ちょっと度が過ぎると生死に関わるだけであって。

誠凛に入学して部活どうしようかなーって考えていたら同級生のコガが話しかけてくれた。


「なあ、一緒にバスケやらね?俺初心者でさー1人で入るの気まづいんだよー」

「うん。いいよ」


バスケ部に入ったものの俺は開始30分でカントクにストップがかかり、退部勧告された。

でもそれを止めたのは創立者の木吉で。

マネージャーでいいじゃん、と俺の存在場所を作ってくれた。

俺はその時の木吉に今でも感謝してる。

じゃないと俺は今でもココで頑張ってる皆を応援することはできなかった。

ボール拾いぐらいだったら俺でもできる。

水の配合間違えたスポドリも今じゃ美味しいって言ってもらえるぐらいになった。

合宿の時もカントクと悪戦苦闘しながらも食える飯を作った。

すっかりマネの仕事板についたよな、とコガと話していたのはいつの事やら。

そして俺にはカントクにも負けない1つの特技がある。


「今日の練習はここまで!今日はハードだったから念入りにクールダウンしなさいよ?火神くんもちゃんと体休めること。いいわね?」

「うぃーっす」


カントクの掛け声で皆は散らばる。

残って練習する人や帰る人。

数的には半々だ。

努力の天才日向は毎日練習して帰るし、今日は我が誠凛の切り札の1年コンビも練習してかえるみたい。

ボーっとその風景を眺めているとコガから声がかかった。


「おーい水無月ー!いつものやってくれー」

「了解ー!靴と靴下脱いで待ってろ」









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