慌てて行くも集まっていたのはカントクと伊月、日向の同中トリオのみだった。


「先輩、あけましておめでとうございます」

「お、久遠が1年で1番乗りか。いーぞー。帰りに何か奢ってやるよ」

「久遠、あけましておめでとう。日向。あと5分でコガたちが来るって」

「まったく正月だからって気が緩みすぎよっ」


日向たちは普段の通りの格好だが、カントクは違った。

薄いピンクの着物を身にまとい、短い髪の毛もちゃんとセットされていて、着物と同じ色の大きな髪飾りがつけられていた。


「カントク似合いますね」

「ありがとっ。これ言ってくれるの伊月くんと久遠くんで2人目よ。どっかの誰かさんは気づきもしなかったわ」

「わるーござんした!」


ケッと日向は少しやさぐれた顔をして、後ろを振り向くと小金井が元気よく大きく手を振る。

その後ろには木吉に水戸部や土田。

1年トリオに誠凛が誇る光影コンビも一緒にいた。


「ようやく全員集合か」

「まあ時間通りだからいいんじゃないの?」

「まっいっか。お正月だしね。みんなー!遅いわよー!!」


カントクの着物姿に度肝を抜かれる久遠を除く1年の姿や、その事で半場くじけるカントクを慰める木吉と水戸部の姿があった。

何はともあれ全員が集まったことを確認して、人混みの酷い神社の中へと歩いていく。

真白はこれほど身長が高い人が集まる事にありがたいと思った。

とくに木吉や火神なんかは人より頭が2分ほどでているためにはぐれても見つけることができる。

体の小さな真白は人混みの中の間にぬくことも難しいのだ。


「真白くん、手貸してください」


黒子が横で真白の手を握る。

自分のコートの中に2人分の手を入れた黒子は火神の腕を掴みつつ前へ行く日向たちに着いていった。









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