1月1日元旦。

朝起きて、玄関を見ると年賀状が届いていた。

久遠家はあまり・・・というかほぼ人付き合いがないため来ても機関の人間しかいない。

が、ここ数年はちょっとずつその年賀状の量が増えていた。


「真白、お前宛だ」

「えっこんなに?人間違えじゃねーのか兄貴」

「よく見ろ。バスケットボールが書かれてる年賀状を出す知り合いは俺にはいない」


青は自分宛に届いた数少ない年賀状を机において、焼けた香ばしいお餅を食べる。

青に入れてもらったコーヒーを飲みながら真白は1枚1枚確認していく。

バスケットボールに蛇が巻きついている絵の書いた年賀状や、蛇がバスケをしてる年賀状。

貰った9割がバスケの絵が書かれていた。


「アイツら・・・」


宛先は帝光時代に仲良くなったキセキの世代や、今の部活の先輩、同級生たち。

去年は生きてきて今まで人に囲まれた年だった。

それはきっと今年もそうだろうと真白は思う。

青もまた兄として真白が年が近い人間と触れ合っている事に喜びを感じている。

自分がこんな風になってしまったが故に弟もまた同じ道を歩んでしまうのではないかと思ってはいたがどうやらそれはないようで。

とある一件で顔見知り程度にはなった生意気なカラフル頭の事を脳裏で思いだし餅を食べきった。




「兄貴ー!初詣行ってくるー!」

「誰と行くんだ?」

「部活のヤツらと」


お昼過ぎにカントクから招集メールが真白の元へと届き慌てて出掛ける準備を始める。

青は急いで玄関をでようとする真白を止め、自分の黒いマフラーを真白の首もとに巻き付けた。


「今日は寒い。コートだけじゃ風邪引く」

「ん・・・ありがと兄貴」

「気を付けて行ってこい」


早く行かねばカントクの逆エビの刑が待っている。

青の匂いがするマフラーの裾を大事に握りしめて走っていった。









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