食わず嫌い/キセキ


黒子 Side

王者帝光が誇るキセキの世代。

人は彼らを天才と誇りますが、彼らもまた人の子。


「あーやっとあの人の顔見ないと思うと清々するっス」

「黄瀬は本当にあの人が嫌いだな」

「そういう緑間っちだって嫌ってるくせに」

「性格が合わないだけなのだよ。あとプレイスタイルも」


彼らにも好き嫌いは存在します。。

十人十色な好き好みですが、1つだけ共通している事があります。


「水無月先輩なんて嫌いだー!!!」


水無月燐wさんはキセキの世代の1つ上の先輩。

緑間くんののように3Pを放つことも、青峰くんのようにダンクができるわけでもない。

黄瀬くんみたいにコピーや僕のようにパスに特化もしていない。

紫原くんのように身長が高いわけでも、赤司くんのように才能があるわけでもない。

平凡。その言葉がしっくりくるほど平凡です。

ただ少しだけシュートの確率が人より高いというだけであとはなにも変わらない。

しかし彼の同級生や先輩、はたまた自分達以外の後輩には愛されていました。

特段可愛いわけでもカッコいいわけでもなんでもないただの平凡が僕達とはまた違う形でチヤホヤされているのが気にくわない。

それが僕たちが先輩を嫌う理由。


「先輩たちいなくなってもあの人の同級生がいたからね。手出しはできなかったのが今でも腹が立つよ」

「つか赤司が手出しできなかったってそうとうだよな。まさか体でも売ってんじゃねーのかぁ?」

「青峰くん流石に言い過ぎです。たとえ水無月先輩がとことん嫌いでも言っていいことと悪いことがあります」

「もー黒ちん固すぎー。アイツなんてぺっちゃんこに潰されちゃえばいいのに〜」


部活終了後僕たちはコンビニで買ったアイスを食べながら帰り道を歩いていました。

今日の練習のあそこがどうとか、昨日見たTVがどうとか何気ない話題で盛り上がりながら僕は買ったバニラアイスを頬張る。


「燐ー!」

「ナイスパス!日向!」


噂をすれば、と言わんばかりに近所のストバスから先輩の声が聞こえました。

先程会話に出したのがいけなかったのか、思わぬところで聞いてしまった声に一同苛立ちを覚える。

買ったばかりのまいう棒は粉々になり、ラッキーアイテムの絆創膏の箱はぐちゃぐちゃ。

赤司くんや青峰くんは人前にお見せできないほどの残忍な顔をしていて。









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