「We wish you a merry Christmas We wish you a merry Christmas〜」


クリスマスソングを口ずさみながら水無月は今夜行うクリスマスパーティーの準備を進めていた。

朝早くに部活へ出掛けていった皆を見送ってすぐに取りかかる。

ケーキのスポンジは昨日あらかじめ焼いた物に甘くて白い生クリームを塗り、色とりどりのフルーツを間に挟んでまたクリーム、スポンジと重ねる。

ナッペでムラなく仕上げた所に苺やチョコ、砂糖で作られたサンタのお菓子を飾って出来上がり。

ふう、と一段落しているとオーブンからチン!と終了の合図がなる。

今回は食べ盛りの火神がいるため奮発して七面鳥の丸焼きを作ってみた。

初めてにしては上出来だろうと自画自賛して次の料理へ移る。

チーズたっぷりのピザを2枚、肉汁溢れるミートローフにからだの事を考えた野菜サラダに、野菜ごろごろミネストローネ。

後はパスタなどもあるが、これは皆が帰ってきてからでいいだろうと水無月は思い、リビングへと忙しそうに料理を運ぶ。

素っ気ないリビングも今日は赤と緑のクリスマスカラーに統一。

普段はしないランチョンマットを敷いてみたり、クリスマスソングをコンポから流し、自分の背を悠々と超すクリスマスツリーだってある。

準備はばっちり!と思っていると、玄関から賑やかな声が聞こえ始める。

エプロンをつけたままパタパタと水無月は玄関へと走る。


「ただいま帰りました!」

「おかえりなさい、皆」


急いで帰ってきた誠凛寮の生徒ははぁはぁと息を切らしながらも靴を脱いでリビングへと向かう。

「うっわあああああ!」

「なにこれうまそう!」

「水無月さんすげー!去年よりもグレードアップしてるし!」


一番最後にリビングに入った水無月は照れ臭そうに鼻の上を指で掻いた。

すると、慣れ親しんだ重みが前から襲いかかる。









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