12月24日クリスマスイヴ。
カップルや家族、はたまた企業にとっては大切な日ではあるが基本部活のある生徒にとってはあまり関係のない日。
帝光バスケ部でもまたそれは同じことであって。
クリスマスだからと浮かれる暇もなく部活にいそしんでいる生徒たちが見える。
が、やはり子供は子供。
練習をしつつも心の何処かにウキウキとしたものが仕舞ってある。
それが顔や態度にでるかはその生徒自信の意思の強さだろう。
ちなみに、誠凛寮の生徒たちは皆シャキっと部活に勤しんでいる。
「黒子っち〜今日部活早く終わるし皆でご飯食べにいきませんか?」
「僕急いでるんで終わったらすぐに帰ります」
「リコセンパーイ!ちょっと部活終わったら時間ありますか?」
「あっゴメン。今日は無理。ごめんね、桃井さん」
と、このように誠凛寮の生徒たちは他の人に誘われても頑なに拒む。
その理由を知りたくなくても分かってしまうから余計に妨害したくなるのが悲しき人の性。
人への嫌がらせをしたら右をでるものはいない今吉はさっと火神の方へ近寄った。
「なー火神」
「・・・なんだ、ですか」
「俺らな。寂しいんよ。部活ばっかりやから色恋沙汰もあらへんし。せやからちょーっとその幸せ分けてくれへんかな?」
「お断りだ、です。いくら先輩でも水無月さんのご飯はやらねー」
「えー!ちょっとぐらい分けてくれたってええやん。どうせたっぷり作ってくれてるんやろ?」
「生憎火神くんがリスのようにモリモリ食べるので先輩たちにあげるものはないですよ」
「わっ!黒子いつの間に・・・」
黒子はひょっこり今吉と火神の間から現れる。
いつもと同じ表情が分からない黒子の目からはほんの少しだけ怒りを感じ取れる。
「ええやん。な、黒子。ケーキの1片ぐらいええやん」
「ダメです。ケーキもピザもみーんな僕たちが部活頑張ったご褒美にって水無月さんが作ってくれるものなんですから。あげません」
「強情なやっちゃなぁ・・・」
「なんとでも言ってください」
今吉と黒子のにらみ合いが数分経った時に2人も帰るぞーと木吉ののんきな声が火神と黒子に耳に届く。
その声を聞いた瞬間、2人は今吉に一礼してダッシュで部室へと向かった。
「ねー俺も燐ちんのケーキ食べたい〜」
「そうだね、敦。でもそうやらこわーいお兄さんとお姉さんのせいで食べれなさそうだ」
この流れをじっと見ていた紫原と氷室は少し面白くなさそうにそう吐き捨てた。
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