「黒子っち!そっちじゃないっス!」
「えっだってさっき青峰くんがここ置いておけって」
「あー!また青峰っち黒子っちに嘘吹き込んだんスね!」
バタバタとカラフルな頭は急いで飾り付けをする。
今日は12月25日のクリスマス。
イヴにやる予定だったが黄瀬のモデルの撮影が入ってしまったため次の日に延期となっていた。
黄瀬の一人暮らしの家にガタイのいい男子高校生が6人集まり多少ムサ苦しさも覚えるが今はそれどころではない。
今日はゲストを招いてのクリスマスパーティー。
マネージャーである桃井も話したがどうしても離せない用事があると泣きながら青峰に電話してきたのは記憶に新しい。
お世辞とも料理が上手ではない6人で協力して作った簡単ではあるが料理の数々。
食べ盛り故の特大のケーキ。
揚げ物は流石に怖いので市販のを買ってきて。
紫原が思いついたように折り紙で作る輪っかを作り始め、ならば自分はと緑間はティッシュではあるが白い花を作り出す。
「思ったより盛大になりそうだね、テツヤ」
「ええ。だって2人を驚かすためですもん。頑張りますよ」
「黒子、ちょっと手伝うのだよ」
「はい。今行きます」
赤司は5人の様子を遠目から見てクスリと笑う。
またこうやって集まって、笑いながら1つの事を成し遂げる姿を拝めるとは思わなかったからだ。
才能を開花させバラバラになった自分たち。
以前はパスを出し合っていた仲間は今じゃ敵同士で。
「(彼らには感謝すべきか)」
そう心の中で呟き、紫原に呼ばれるがまま紫原の近くに向かう。
約束の時間まであと1時間を切った。
「っとこれでできたっスかね?」
「いいんじゃないか」
「よーし後はアイツらが来て食べるだけだな」
何をとはあえて誰も聞かない。
誰しもが心の何処かに持っていた欲望なのだから。
「まだですよ青峰くん。まずは机のご馳走を食べないと」
「そーだよ。峰ちん。おいしーお菓子は最後ってね」
「はぁ・・・お前らの頭の中はどうなっているのだよ」
「とかいいつつお前も楽しみにしてんだろ?むっつり間くん」
「誰がむっつり間なのだよ!!」
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