「・・・なあ、赤司。俺は成長したと思うか?」

「急になんだい?真白にしては唐突な質問だね」


俺は怖かった。

この12月まででアイツらが驚く程に成長していたことに。

少しずつ感じていたそれは久々に全員が集まった会場で俺に突きつけられる。

背格好だけではなく、精神的にも何もかも。

何も変わっていない・・・否、変わる事のできない己の手を握り締め下を向く。

赤司は何を気づいたのか、俺の顔を両手で持ち上げ、視線を合わす。


「真白は成長したよ。だってあんなに素敵なチームメイトの中に入れているじゃないか。頼る事に慣れてない真白にしては十分の成長だよ」

「っ・・・本当か?」

「ああ。まあ背格好は目を瞑ってあげるけどね」

「知ってるくせに」


赤司の言葉が俺の中でどんどんと温かくなってくる。

まるで凍てついた氷が溶けていくかのような感覚に陥る。

俺の顔を上げていた手はするすると首筋の方に降り、視界が真っ赤に染まった。


「いっ・・・」

「ふふっ。折角逢えたんだ。痕ぐらいつけてもいいでしょ?」


ピリっと首筋が痛む。

一瞬だった痛みは、赤く俺の首筋に痕を残す。

そのまま赤司の手はどんどん下がり、着ていたTシャツの中へと入っていく。

冷たい手で触れられて俺の体はピクりと反応した。


「痕ぐらい、じゃなかったのかよ」

「だってそんな可愛い真白なんて滅多に見れないじゃないか。いいだろ?どうせ次の日休みなんだし」

「そういう問題じゃなっ・・・あっ!」

「真白もそう言っておきながら結構やる気なんじゃない」


寒空の下、いつもご飯を食べていた床に押し倒されて服をめくられる。

雪は降ってはいないがされど12月末。

冷えが俺たちを襲う。

俺は大会中で風邪でも引いて先輩たちに迷惑かかるのだけはダメだと快楽に浮かされそうな頭で思い、赤司の手を止める。


「ここじゃ寒いから・・・ヤだ。どっか連れてけ」

「クスっ。しょうがないなぁ。我侭猫のために温かい所に行こうか」


赤司は俺の上から立ち上がって、手を差し出す。

その手を握って立ち上がる。

慣れ親しんだ屋上や、綺麗なイルミネーションに別れを告げまた赤司に導かれるまま歩いていく。


「何処に行くんだ?」

「僕の家だよ。家族は皆出払ってるからね。安心して啼いていいよ」

「バカ、死ね」


明日の部活行けるだけの体力は残してもらうように赤司に言って、街が賑やかな中に俺たちは家へと向かった。



(それより久々に帰ってきたのに家族の人なんでいないんだ?)

(真白の可愛い声を僕以外に聞かせると思うかい?)

(っ確信犯か!)




思い出すは淡い出来事、これから作る濃密な愛









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