気づいて?/伊月



伊月 Side


俺は臆病だ。


「伊月ぃ〜!」

「ハイハイ。どうしたんだ」


親友という壁を壊す事も、好きと気持ちを伝える事もできない。

俺は親友という仮面を被って今日も結城の話を聞く。


「黒子がさ〜・・・・」


俺と結城は中学からの親友。

4年間俺は結城の隣にいた。

片方空いてる場所には日向がいる。

高校も一緒の所へ行き、嫌嫌ながらも部活にも入って、これからもずっと一緒にいる。

そう考えていた。

しかし事態は急変していく。

結城や日向を部活に引き入れた木吉や部活の後輩の黒子や火神。

他校である黄瀬や緑間、黄瀬なんかが結城にアタックし始めた。

親友である前に男同士。という世間体が大きく腰が引けていた俺にとって焦る事態だった。


「うっ・・・俺なんで尻の心配なんてしなきゃいけないんだろ・・・」

「とりあえず落ち着こうか。ハッモチついて落ち着く。キタコレ!」

「伊月、俺泣いていいか?」


どことなく俺を叩く手には微妙な力加減があって痛いけど痛くない。

うう〜っと泣き出す結城の頭を優しく撫でる。

それが俺が自ら触れる事のできる行為の1つ。

結城が急にガバリと抱きついてきて、驚きつつも俺は抱きしめ返す。

ふと、目に入った結城の首筋。

赤いダレカの所有印。


「ねえ、結城それダレがつけたの?」

「ん?どれ?なんもついてねーじゃん」


腕や肩をペタペタと触る結城。

きっとシールを付けられたとでも思っているんだろう。

違うよと俺は言って結城の首筋にあるキスマークを舐める。


「ひゃっ!」

「ココ。誰に付けられたの?」









「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -