痛い、嫌い、痛い、好き/花宮


花宮 Side

ほんの気まぐれ。気まぐれで誠凛の近くの路地にあるコーヒーショップに入った。

そこで何気なくコーヒーを頼んで外のテラスで飲む。

ボーッとしていると見慣れた姿を囲むようにカラフルな頭が2、3人いた。


「ああ?アイツ何してんだ」


まずは動かずにじっと観察する。

あっちも俺に気づいていないようなので好都合だ。


「なんだってんだよ!おい!」

「別に意味はないのだよ。今日の歩さんのお尻の具合を確認するだけだからな」


秀徳の緑頭・・・緑間は両手で結城のケツを揉みしだく。

今日のぉ?つーことは前も触らせてたって言うのか。アイツは。


「ひぃぃ!黄瀬!お前も便乗するように触るな!キモい!」

「ええ〜。緑間っちばっかりズルいっスよ!俺も歩さんの触るっス!」

「2人も歪みねぇなぁ。見てるだけでも楽しいぜっいっひっひ」

「高尾!笑ってるなら助けろ!」

「えー歩ちゃん先輩の声聞いてるだけでも俺興奮するからパース!」

「あー!どいつもコイツも変態ばかりめ!!」


黄瀬と高尾というヤツも結城の体にベタベタ触りまくる。

あの触る指をへし折ってやりてぇなぁ。

そうすれば結城の体に触れる事も大事にしてるバスケもできねぇだろうなぁ。

俺は自分の思う以上に結城に好意を持っている事に内心悪態をつきつつあの4人の様子を見る。

嫌も嫌も好きのうちという言葉があるように、結城が抵抗するたびに3人の顔は愉悦に浸る。

緑間が結城のケツを揉んだ瞬間、黄瀬が耳元で何かを喋った時だった。


「ひゃっ!」


結城が甘い喘ぎ声を発する。

その声を聞いた3人は一層笑みを深め、体に触れる手が怪しさを増す。

俺は飲んでいたコーヒーをそのままに立ち上がり結城の元へとゆっくり歩いていく。


「おい」


楽しそうに結城の横腹を触る黄瀬の肩を引く。


「っなんスか?ってアンタ・・・」

「零崎第一の花宮サン・・・」

「そこにいる淫乱は俺の奴隷だからテメェら触んじゃねーぞ」

「うわっ!?」


無理やり結城の腕を引っ張って3人から離し、そのまま家へと向かう。

アイツらがどんな顔してたとか知るわけねぇだろバァカ。









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