「できたぁ!!」
「おいしそー!食べよ食べよ!」
平にするはずのナッペはムラができてボコボコ。
絞りも上手くできず大小形様々になってしまったが、苺を乗せれば何も気にならない。
お菓子屋さんのと見比べればお世辞にも上手とは言えないケーキではあるけれど、2人にとっては満足だった。
「あ、皿とか取ってくるな」
「待ってー。生クリームついてる」
「ん?どこに?」
水無月は頬を両手でこするが生クリームはついていないぞと不思議そうに紫原に言う。
ここだよ、と紫原は笑いながら指の爪の部分についた生クリームをその指ごと舐める。
「っ敦ぃ!?」
「へへ。あまぁいね」
顔を真っ赤に染め立ち上がる。
が、紫原はその長い腕で水無月の腰を掴んで自分の元へと引っ張る。
「うわっ」
紫原の大きな体に水無月の体はなだれ込む。
思ったより痛みはない。
上を見上げると嬉しそうに笑う紫原の顔。
「今はケーキいいからさ。食べさせてよ」
「あ?今俺の部屋ケーキ以外になんもないんだけど」
「あるじゃーん」
バッと水無月の着ていたパーカーを胸元までめくる。
紫原は余った生クリームが入ってるボールに指を突っ込み、臍周りにつけてペロリとその生クリームを舐める。
「ひゃっ!」
突然の事で水無月は口を閉じる暇もなく声をあげる。
その声を聞いて余計に紫原は笑う。
「ここにあるじゃない。ケーキが」
そっと唇にキスを落とす。
ようやく意味が分かった水無月は耳まで真っ赤に染める。
「こんな・・・まずいのでよければ」
小さく紫原にだけ聞こえるような声で呟く。
「じゅーぶん!ていうか燐ちん美味しいし!」
紫原は水無月の体をベッドへと押し倒した。
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