思わず素っ頓狂な声がでる。
伊月はいつも最後から2番目に風呂を入るので最後の水無月にお風呂が空いた事を伝えに来た。
いつもだったら「どうぞ」と言ってくれる声が聞こえない代わりに、驚いた声が聞こえる。
何かあったのではないかと伊月はドアを開ける。
するとそこには、
「水無月・・・さん?」
「んん・・・伊月、くん。入ってきちゃダメェ」
頬を真っ赤にして涙目になっている水無月の姿があった。
いつも優しい声を発する唇も普段よりプクリと膨らみ真っ赤に染め上がっている。
まるで情事の時のような。
水無月さん色っぽいなぁと伊月は思ってしまっていた矢先に後ろから声がかけられる。
「伊月ぃ〜?何やってんだよ。水無月さんの部屋開けっ放しで・・・て」
飲み物を飲みに1階にいた日向が上がってくる。
立ち尽くしてる伊月の姿が不思議になって水無月の部屋を覗くと色気が溢れんばかりでている水無月の姿に日向も止まった。
「水無月さん凄く色っぽいなぁ〜。どうしたんですか?」
「うわぁ!木吉!?」
「木吉お前ミスディレクションでも習得したのか」
日向の後ろで手をかざし水無月の姿を見ている木吉。
3人が3人何が起きているのかよく分かっていないのだ。
ただ1つ分かると言えば、水無月がとても色っぽいという事だけ。
吐く吐息さえも熱を含んでいて今すぐにでも食べてください、と言わんばかりでゴクリと生唾を飲み込む。
「水無月さん変な物でも食べたんですか?」
「ひゃっ・・・む、らさき原くん、に飴もらったぁ」
伊月が肩に触れるだけで水無月は甘い声を発する。
飴玉でこの状態。つまりその飴玉は媚薬でできていて盛られたという訳だ。
俺たちが見つけてよかったと日向は思う。
これが万が一外だとしたら一溜りもなく食べられていただろう。
否、食べられる。
木吉は黙って部屋のドアを内側から締め、鍵をかける。
それが3人にとっての合図だった。
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