後もうちょっと力を込めていたら赤司くんが潰れてしまうのではないかと思った時、妖の動きが止まりました。
赤司くんも襲ってくるはずの痛みが襲ってこず恐る恐る閉じていた目を開いていく。
赤司くんの体は四角い箱のようなものに包まれていて、妖の腕が途中から消えてなくなっていました。
ただ赤司くんを握っていた手だけが宙に浮いている。そんな様子。
「お前ら!どっから入ってきやがった!」
灰色の変な衣装を身にまとう男の人が眉間にしわを寄せて走ってこちらへとやってきました。
主人公 Side
今日の不法侵入者のカラフルズ(仮名)は肝試しに来たと恐る恐る吐いた。
俺はあまりにも無頓着すぎるコイツらに腹が立ち全員正座して並ばせる。
「お前らここの話聞いたことねぇのか?」
「しっ知らないっス!本当っスよ!」
「俺もー。つか黄瀬が言うまでこんな学校あったのも知らなかったし」
「青ちんに同じくー!」
視えていないであろう青、紫、黄色、緑は悪びれる事もない。
むしろ正座させられていることにも不服なようだ。
「・・・夜の烏森学園に近づくべからず。ですよね?」
「話が分かるヤツがいて助かるよ。なのに来ちゃったら意味ないよね、水色少年?」
水色はじっと俺の方を見る。
何を考えているかわからない目。
良守といい最近の中学生はどうしてこうも生意気なんだろうな。
「来てしまった事は謝ります。すみません。でも僕たちが来なかったら逆に不安でしょう?視えない4人がいますし」
「・・・まあ一理ある。がその4人を来させないという手はなかったのか?」
「それは無理でしょう。彼らは本能で動いているような人間ですから僕たちが言っても無駄です」
赤が水色との会話を裂くように俺に言う。
本能ね・・・。
「っはぁ・・・分かったよ。今日の事は見逃す。だがこの事は他言するな。したらお前たちの口を塞ぎに行く」
「わ、わかったっス」
「しょうがないのだよ」
「・・・」
俺は一枚ずつ式神を渡し帰るまで見守ってくれるよう命じてカラフルズ、もといキセキの世代(というらしい)を見送った。
「アンタ何ヘマしてんのよ。死んでたかもしれないのよ!」
「わーかってるよ。俺の結界はちゃんと貼っていた。もしかして破ってきたのか・・・?」
時音にシバかれ、良守に笑われ、終いには今日の修復を俺1人でやらざる負えなくなった。
くっそアイツら今度会ったら殺す!!
(水無月さん・・・)
(不思議な人でしたね。赤司くん)
(ああ。今度改めて謝りに行くよ)
(僕も行きます)
ようこそ!妖ワールドへ!
おまけもあるよ
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