トラブルがあったもののなんなく終えて1軍の部室へと向かう。
ドアをあけるとそこにはキセキ・・・後輩の6人がいた。
普段なら部室の外まで聞こえる笑い声も、怒鳴る声もあげることなくただじっと焦点が合わない光をなくした目だけがこちらを見ていた。
「どうしたんだよ。お前ら。なにかあったのか?」
俺はそんな6人に少し恐怖を抱き近くにいた黄瀬に話しかける。
「何かじゃないっスよ。燐っち先輩」
「お前・・・本当に黄瀬か?」
モデルは顔と笑顔とイメージが命っスと言っていた黄瀬からは笑顔も元気なイメージも消えていた。
「まったく。俺らがずっと見ていたのに横からかっさらうだなんて卑怯なのだよ」
「かっさらうとか意味分かんねぇこと言ってるんじゃない。あとその手に持ってる物騒なものは何だ?」
今日のラッキーアイテムの手錠なのだよ、と緑間は言う。
「ったくよ。やっぱあん時やっとけばよかったじゃないか」
「青峰くんの意見に賛成です。こんな辛い思いをするんだったら見守るのではなく、奪っておけばよかったんですよ。赤司くん」
バスケ以外ではよく衝突している青峰と黒子。
それ以外でこいつらの意見が一緒になったときなんて初めて見た。
「だってさー、赤ちん。まあ、俺はどっちでもいいんだよ。手にさえ入れば」
紫原のいつもどおりのやる気のない声。
でも、その声に僅かに怒りが含まれている。
「わかってるさ。今回は僕の読み間違えだ。すまない。それよりも、先輩。僕たちに何かいうことはないですか?」
「言うこと?なんもねぇよ」
一瞬ドキっとした。
でもバレないようにおれは しらを切る。
近藤さんから付き合ってることは誰にも内緒にして欲しいと言われた。
恥ずかしいし、俺と付き合ってることがバレたら周りの女子たちが怖いからとのことだった。
俺としては自慢の彼女だって自慢したいところだけど、近藤さんのためならばと内緒にしている。
← →