この愛さえも魔術と呼ぶのなら・・・憎しみの炎を放つがいい!
「Penitenziagite!(悔い改めよ)
Opus transit in otium(献身は虚無と化した)
Nunc cuncta rerum debita(いまや総てが)
Exorbitant a semita(道を外れて狂っている)」
燐は涙を流しながら叫ぶ。
全ての愛を思いを断ち切るかのように。
体に大きな漆黒の羽が生える。
周りの人々はやはり魔女だ!と叫ぶが真太郎はただ呆然と見ていた。
「この赤く燃ゆる火のような血の涙の理由(わけ)を忘れるな!」
燐は真太郎に向けて放ち大空へと飛び立っていった。
真太郎はただただ空から舞い落ちる漆黒の羽を握り締め泣き続けた。
「魔女はもう再び王子のところへは現れませんでした。王子はそれからずっと上の空で何も手につかず衰弱し、まるで後を追うように空へ旅立ちました」
子供たちは泣いてハンカチをダメにするもの、つまらないと寝ているもの色々な反応があった。
「ねえ、その聖職者さまはどうなったの?」
「・・・毎日2人のために祈っています。来世で幸せになれるようにと」
「そっか。でも聖職者さまも辛かったんだろうな。だって好きでやったわけじゃねーもん」
「そうですね・・・」
話も終わり子供たちは協会から出て行く。
1人になった神父、テツヤは十字架に祈りを捧げた。
(ある魔女と王子の悲しいお話)
(燐さんと王子に幸あらんことを)
『魔女/すずきP』
自分なりの解釈にて書かせていただきました。
王子の結末などは私の想像です。
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