そう。視線。

近藤さんと付き合い始める前からあった視線。

最初は可愛い子が集まると評判のうちの部のマネを見ているのかと思って注意深く見ていたが視線はマネには向かっていない。

じゃあ一体誰を・・・?

ぎゅっとタッパーを握り締める力が強くなる。


「燐先輩」

聞きなれた後輩の声、視界に広がる赤。

「ああ。赤司か。何か用か?」

「ちょっと燐ちんに来てもらいたいんだよねー」


2年にしてこの帝光バスケ部を率いる赤司と2mを超えた身長をもつ1軍のセンター紫原。

1軍は別の体育館で練習をするがたまにレギュラー、世間ではキセキの世代と呼ばれている奴らはやってくる。


「どうした?また練習試合の予定か?」

「いえ、先輩にちょっと相談がありまして」


赤司が相談とは珍しい。

いつもは命令は絶対、権限は全て俺にある。と言い放つ男が相談とは。


「おう。わかった。そろそろ練習終わらせるつもりだから終わったらそっちへ向かう」

「ええ・・・待ってますよ。先輩」


俺は2軍の奴らに集合をかけ伝達事項等を伝え今日の部活を終了させた。

バタバタと片付けや掃除をはじめる中で赤司と紫原が目の光をなくしじっと俺を見つめていた事に気づかなかった。









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