「ったく。この大事な時に何しでかしてくれてるのかしらね」
「す、すみませんでしたって痛い、痛い!」
「当たり前よ!部活も身に入ってないし!ふざけんじゃないわよ」
カントクは怒りながらも丁寧に固定していく。
ジムの娘さんなだけあってこういうのは得意らしい。
料理はてんでダメだけど。
「よし、できた。水無月くんはもう上がればいいわ。いたって迷惑になるだけだし。後治るまでは見学よ?ただしどこぞのおバカさんみたいに無断で休まないこと」
「わかりました。カントクすみません」
俺はカントクに頭を下げ、主将にも帰ることを伝え部室へと向かおうとした。
「あ、伊月くん。この子帰るの付き合ってくれない?家近所なのよね?」
「ああ。いいよ」
「えっ!?カントクいいですって!」
予想もしなかった事態に俺は焦る。
伊月先輩も主将に伝えに行き、俺の右腕を担いだ。
「さて行くぞ」
「いいですって。先輩は練習しててくださいよ」
「私が許すんだからいいの。それにそうなった原因を解消してもらわなきゃ私もみんなも困っちゃうわ」
ねぇ、とカントクは皆にふる。
「そうだ。お前が元気ないとこっちが調子狂っちまう」
「足お大事にしてください」
「シュートこれ以上外されても迷惑だしな」
「明日には元気に来いよー!俺と水戸部からな!」
上から主将、黒子、火神、そして小金井先輩と水戸部先輩。
1年トリオからも言われた。
「ほら、ね?だから遠慮せずに帰りなさい」
カントクが俺と伊月先輩の背中を押す。
「っすみませんでした!あと明日には回復します!」
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