「すみません。水無月が体調悪いらしいので保健室行ってきます」

胡散臭い笑みを浮かべ赤司は言う。

教師は少し戸惑いながら俺の顔を覗き込む。


「そうだな。水無月の顔真っ赤で辛そうだ。大丈夫か?」

「は、はい・・・だいじょう、ぶです」

「ほら。行くよ」


赤司に支えられて教室をでる。

支えるためにと触れられている肩もどこも熱い。



ドンっ

「わっ」


連れてこられたのは保健室じゃなくてあまり使われないトイレの個室。

洋式の便器に座らされて赤司も個室へ入っていく。


「ここなら十分喘げる」

「っうっせ」


はぁはぁと肩で息をする。

少しでも熱が治まるようにと自分で自分の肩をだき、赤司を見る。


「驚いたよ。握手するだけで喘がれたのは生まれて初めてだ。

「はぁ・・・うるせぇ。さっさとでてってよ。赤司」


キッと赤司を睨みつけ、追い払うように足をバタバタと動かす。

俺の行動が気に食わないのか赤司は目を細める。

そして赤司はバタバタさせている俺の足を手で受け止めて、靴下とズボンの素肌の部分を熱い下で舐める。


「ひっ」


下着に熱いものが飛ぶ。

それはじわりじわりと下着を濡らした。

熱いものが何なのか分かっている俺は一粒の涙を流した。


「おや?もしかして水無月イっちゃった?」


まるで最初からそれを狙っていたかのような口ぶりで赤司は言う。

ネチャネチャしたそこが気持ち悪い。

初対面で同性にイかされて恥ずかしい。

なにより自分自身がなさけない。

俺は下唇を噛んだ。










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