俺は身の危険を感じベッドから降りようとした。

ゆっくり音を立てず。あともう少し、もう少しで床に足がつく。

そうしたら全速力で部屋を出よう。

部屋着とかそういうのは考えずに我が身が安全だ。

そう思った刹那、

ギシリ

ベッドが軋む。ベッドまでもが俺を裏切った。


「マスター何処へ行くの?」

「マスター何処へ逃げるの?」


無邪気を装った狼がニッコリと笑う。


「いや・・・授業あるし起きようかなぁって」


ハハハと乾いた笑いがでる。内心冷や汗たらたらでいつこの狼が飛びかかってくるか気が気じゃない。


「あれ〜。おかしいなぁ。マスター今日は何もないから寝て過ごすって昨日言ってたよね」


昨日の俺カムバック!

なんて事を言ったんだ、俺!

いつの間にか俺の背後にいたリンは後ろから抱きしめる。


「マスター、ベッドに戻ろ?いつもレンじゃ物足りないの私知ってるんだから。今日からは満足させてあげるね!」

「なっなんで知って」

「ふふん。なんでも知ってるんだから!レンとシたあと気絶したと思わせてあとでこっそり玩具でヌい・・・」

「わー!言うなー!!」


リンの口を手で抑える。

たくさん聞きたいことがあるが俺の羞恥心がそれを上回る。

さっきまでは顔だけだったのに全身真っ赤でまるでゆでタコのようだ。


「ふーん。燐そんなことしてたんだ」

地を張るような低い声。

ベッド上、よく耳元で聞くその声はレンの中のスイッチが入った証拠。


「えっと、な。レ・・・ふっ」

レンが部屋着の半パンから手を滑り込ませ太ももを撫でる。

いきなりのことで声を抑えられず、とっさに口を両手で抑える。

が、それはつまりリンを解放するわけで。











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