黒子 Side


真白くんが眠りについて早1ヶ月。

学校では事故に遭って意識不明。面会謝絶となっていた。

きっとこれは真白くんのお兄さんと群寺さんによっての隠蔽。

しかし元々学校で悪い評判しかない真白くんにとってこの事は大きな波紋になっていた。

薬のせいで精神病棟に入ったとか、警察に捕まって拘置所送りだとか毎日そんな噂が絶えない。

たまに僕たちにもその話を振られることがあったが一丸として知らない、と首を横に振った。


この1ヶ月は僕たちの生活をめまぐるしく替えた。

まずは真白くんも応援してくれた全中に優勝した。

喜ばしい事なのだが僕にとっては少し苦しいことだった。

その次にキセキの世代と呼ばれる5人がそれぞれ能力を開花し今までのチームプレーがなくなった。

2つの事が原因で僕はバスケ部を辞めた。

そして3つ目として、


「こんにちは、真白くん。日曜日ぶりです」


僕たちは平日と土曜日は1人ずつ、日曜日は全員で真白くんのお見舞いに行っている。

部活は見舞いに行く人は30分早めに切り上げる事を許されて向かう。

今日は水曜日で僕がお見舞いに行く日だった。

窓を開けて空気を換気する。

オーバーテーブルに散らばるお菓子を見つけた。

きっと昨日紫原くんが置いていったんでしょう。


「もう夏も終わりますね・・・半袖も寒くなってきました」


あの日と変わらない顔を優しく撫でる。

まるで死んだように眠る真白くんの胸に手を当てて上下に動いている事を確認する。

ああ、今日も生きている。

早くその閉じている目を開けてくれませんか?

沢山話したい事があるんです。

沢山謝りたい事もあるんです。

だから、どうか、


「起きてください。真白くん」

「ん・・・」


ピクリと真白くんの体が動く。


「真白くん!?」


ゆっくりとその目が開く。


「くろ・・・こ?」


真白くんが目覚めた。

僕はその事を病室の外にいたお兄さんに伝えた。

そして、赤司くんに電話をする。

すぐに向かうと彼は珍しく慌てた声で返事をした。


「おはようございます、真白くん」

「・・・ああ。おはよう」


真白くんはどことなく悲しい瞳をして僕を見つめた。








 




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