4月。新学期。

桜の花が満開になり視界的にも春を感じる。

俺たちは最高学年になった。

1つ学年が上がったからとはいえ何も変わったことはない。

クラス替えもあったが黄瀬と青峰とはまた同じクラスになった。

会ってまだ半年ぐらいしか経っていないのに腐れ縁か、と思えるぐらい毎日が濃かった。

そして4月になると俺の嫌いなものが現れる。

そう・・・


「んー久遠くん165cmね。2年生の頃から伸びてないのねぇ」

「・・・はい」


身体測定だ。

週1に検査を受けていて身長体重聴力視力など全部分かっている。

じゃあ何故嫌いなのか。

学校の身体測定は1年に1度。

つまり1年でどれだけ成長したのかすぐに分かる。

週に1回だと成長してるわけがない、と自分の中で言い聞かせて受けているからごまかしが効く。

が、1年に1度だとそれができない。

実際このとおり身長、座高は1年で1mmも伸びていない。

体重だって変わらない。

何もかもが去年と一緒。

もしかして・・・と最悪な事態が頭をかすめるほどに。


「青峰っちー!身長いくつ伸びたっスか?」

「あ?5cmぐらいかぁ?」

「えー!そんなに!?また身長差ついた・・・」


そんな俺の気持ちを知ってか知らずが隣では俺にとって贅沢な言い争いをしている。


「羨ましいヤツらめ」

「全くですね」

「・・・黒子か。身長伸びた?」

「ええ。2cmですが」

「爆発しろ」


黒子が突然現れるのも慣れてきた。

最初は驚いてたものの意識を集中すれば黒子を見つけることだってできる。

だから平気と言えば平気。






 




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