「おーい。久遠。ちょっといいか?」
放課後。俺は初めて先生に呼び止められた。
先生の方に寄り、プリントを受け取る。
内容は授業をサボった青峰に課題を届けて欲しい、とのことだった。
アイツは授業をサボってるところか寝てるところしか見たことがない。
真面目にやっているのは体育ぐらいだろう。
先生は俺の手に渡したことを確認して足早と教室を出て行く。
ただめんどくさいだけじゃないのか、と内心毒つくも渡された物をほっとくわけにも行かず。
「はぁ・・・」
1つため息を付いて1軍が練習しているだろう体育館へと向かった。
「ナイスシュート!」
「あと1本追加!」
体育館へ入るとバッシュのキュっと床を擦る音、ゴールにボールが入る音、掛け声などがひしめき合っていた。
お目当ての青峰を探しているとひときわ目立つガングロがダンクを決めていた。
青峰はすぐに持ち場へ戻り黒子とハイタッチを交わす。
2人もバスケが楽しい、そんな表情をしている。
「アイツらやるだろう?」
「ああ・・・というかいつの前に横にいた?」
「さっきさ。ここで制服のヤツは目立つからね」
ふと横に立つ赤。
コイツが青峰や黄瀬のいう王者赤司、か。
「部外者は立ち入り禁止なはずだが何かようかい?」
「すまない。これを先生から青峰にと預かっているんだ」
赤司にそのプリントを渡すと、内容を見てふぅんと口に手を当てて呟く。
後、期限は明日の放課後までだと伝えて欲しい。そう伝えて。
「わかった。言付かろう」
「助かる。じゃあ俺はこれで・・・」
帰る、そう言いかけたときにピーッと笛の音。
どうやら青峰のコートのミニゲームが終わったらしい。
青峰は俺と赤司に気づいたのか汗だくのままこちらへと向かってくる。
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