曜日は土曜日。
学校は休み。
部活動が盛んな帝光は部活動に励み、そんな部活に属していない俺はというと、
「変形(ドミニオン)!」
「お前も青も一緒なパターンだよなぁ・・・ったく」
棒を剣へと変形して群寺さんへ向かう。
群寺さんは両手をズボンのポケットにしまい、足だけで攻撃を交わしていく。
まるで赤子を相手しているように軽く交わして、腹が立つ。
「そりゃ俺と兄貴は同じ能力持ってるし?ただなっ」
俺は群寺さんの足に意識を集中させ、浮かせる。
「っ!?」
シュッ
油断したところをすかさず喉ぎりぎりに剣を突きつける。
「俺には念力・念動作用(キング)がある。それを忘れんな」
「ああ・・・上達したな」
「うるせぇ。そうしたのは群寺さん―――あと尚登だ」
剣を棒へと戻し、その場に座る。
「そうだな。お前の戦い方は石動に似てきている」
「・・・でもそのせいでたまに兄貴は悲しそうな顔をする。俺はそんな顔をさせるために強くなったわけじゃない」
棒をひと撫でしてサングラスへと変形する。
「しかしそのおかげでお前は器用になった。違うか」
「そりゃそうだ。補助の兄貴、攻撃の尚登。俺はすごい2人を間近で見てきた。だから俺は負けない、もっともっと強くなる」
「それでいい。それが久遠真白だ」
群寺さんは俺の頭を撫でる。
俺はサングラスを元の棒へ戻し、立ち上がる。
「群寺さん。俺が最も恐れる敵でプログラムしてよ」
「ああ。わかった」
ピッピ、と機械を弄り背景が変わる。
「はじめるぞ」
「りょーかい」
廃墟の精神病院。
窓が全て鉄格子で覆われている、出口のない病室。
コツコツと足音が聞こえ、俺は剣へと変形する。
俺の恐れるもの、それはなんなのか。
兄貴か、尚登か、はたまた―――
「お、れ・・・?」
そこには小学生の時の自分がいた。
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