昼休み。青峰と黄瀬は先生に呼び出され職員室へ向かって行った。

久々の1人での食事。

教室で食べようと思うとクラスメイトの視線。

顔のせいで誤解を受けやすい俺は、数多くの噂をたてられている。

繁華街でヤクザを絞めていただとか、

学校を籠城したとか、

はたまたヤバイ薬を売りさばいているとか、

どう考えたって犯罪でそんなことを本当にしているの出れば悠長に授業なんて受けていられない。

PSI能力者は異端で、受け入れられることは少ない。

最近はあの青いのと黄色いのがくっついていたせいで感覚が少しマヒしていたようだ。

これが正常。そして日常。

俺は袋をもって中庭へと向かった。




「ない・・・ないのだよ」

中庭に着くといつも座っていたベンチの近くで緑色の髪をした生徒が四つん這いになって何かを探していた。

ふと見ると地面には眼鏡が落ちていた。

あと30cm、もうちょっと手を伸ばせば届くところにあるが視力が相当悪いようで見当はずれなところばかり探している。

俺は眼鏡を取り、生徒に渡す。


「あ、あありがとうなのだよ!」


生徒は眼鏡をかける。彼はしたまつげの長い美人だった。


「いやいい。これから気をつけろよ」


俺はその場に座りパンを開ける。兄貴が前のお詫びと買ってきてくれたありの子のメロンパン。


「ま、待つのだよ!!」


齧ろうとすると彼から制止の声。


「なんだよ・・・」


彼の方に向くと大きな弁当箱を俺の前に差し出した。


「お前のメロンパンと俺の弁当交換してくれなのだよ」

「は?」


俺の間抜けな声が空に消えた。








 




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