「黒子、こんな時間にどうした?まだ部活中だろ?」
「・・・真白くんにまだ話してないことがありまして」
「何?」
「実は、」
「アイツらがねぇ・・・」
黒子が帰った扉を見つめ呟く。
目覚めて3日目。
大事をとってとまだ退院を許してくれない。
病人でも怪我人でもない俺にとって入院生活は苦痛でしょうがなかった。
でも今入院生活云々言ってる場合ではないようだ。
全中優勝、その代償に黒子以外能力が開花しチームプレーがなくなった。
特に光である青峰との決別。
この前は仲良さそうに見えたがそうではないらしい。
「ったく俺のことよりも考えることがあっただろうが。アイツら」
スリッパを履いて外へ出る。
夏も終わり夜になるとほんの少しだけ肌寒い。
誰もいない暗闇のロビー。
俺はロビーのベンチに座り吹き抜けの天井を見上げ目を閉じる。
暗闇に吸い込まれそうだ。
ふと目を開けた次の瞬間、目の前ににっこりと笑う優男の顔があった。
「うわぁ!」
「おお。驚かせてごめんな。君」
びっくりしてベンチからずり落ちる。
差し出された手はとても大きく、身長もそれ以上に大きかった。
「あ、ありがとうございます」
「おお。こっちこそ驚かせてゴメンな」
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