「おい!テツ!」

「大輝」


青峰くんは僕の胸ぐらを掴み殴りかかってくるがそれを赤司くんは止める。

真白くんはそんな僕たちを見て何してんだよと眉間に皺を寄せた。

青峰くんの背中をツネる。

さっさと話してしまえばいいんです。

いつもは強気の君はどこへ行ってしまったんですか。


「く、久遠・・・すまねぇ」


ようやく青峰くんはその硬い口を開け謝罪の言葉を言った。

真白くんはその言葉を理解するのに数秒かかり、ああ。と言う。


「別にいいんだよ。巻き込んだのは俺だ。お前の責任じゃない」

「でもっ・・・」

「俺がいいって言ってるんだからいいんだ。それだけのために此処まで来てもらって悪かったな」


もう大丈夫だ、と青峰くんの背中を優しくさする。

微笑ましく見える様子もどことなく僕には不自然に見えた。

まるでもう真白くんと会えないような気がして。


「真白。僕も真白に話がある」


ピクリと青峰くんの背中をさする手が止まる。

真白くんの顔がどんどんと険しくなっていった。


「何?」

「僕は、いや僕たちは群寺さんから真白の事を聞いた。超能力の事もそれを使って大輝を助けてくれた事も」

「・・・」

「真白が眠っている間僕たちは考えたんだよ。きっと真白は僕たちを突き放すだろうと。だけど僕たちはそれを止めさせてもらう」

「・・・」

「僕たちは久遠真白を友達として引き止めるよ。友としてありがとう」

「バカ野郎!」


真白くんは切羽詰った表情で大声を上げる。

皆が動きを止めた。


「お前たちは何を言ってるのかわかってるのか?化物を受け入れるって事だぞ。頭おかしいんじゃないのか」


初めて見る苦しそうな顔。

そんな顔を僕たちはさせたいわけじゃないんです。


「そうだね。僕たちは前々から頭はおかしいさ。だからいいじゃない。おかしいもの同士仲良くしようよ」


赤司くんは真白くんを小さな子供をあやす様に抱きしめた。

それを見た青峰くんも赤司くんごと真白くんを抱きしめる。

黄瀬くんや紫原くん、緑間くん。そして僕も抱きしめる。

カラフルな年輪が出来上がりました。


「っバカ野郎」


先ほど言ったよりも優しく今にも泣きそうな真白くんの声が病室に響いた。






(そろそろどいて・・・重いんだけど)

(まだだ。心配かけた分抱きしめさせてよ)

(仕方がないなぁ)




おはよう!そしてありがとう!












 




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