Another Side
青に指定された病院に青峰たちは無事に着く事ができた。
いざ中に入るとここは本当に病院なのか、と疑うような重圧。
病院の中にいる患者たちは何も変哲もなく受付、精算を待っていた。
「おお。少年たちこっちだ」
入口で立っていると先ほど公園で会った男性、群寺が青峰たちを手招きする。
青峰たちは恐る恐る群寺の元へ向かった。
「あの、真白は・・・」
「アイツの前にそこの少年の精密検査だ。まぁ真白がやった事だから大丈夫だろうがねんのためにな」
「別にそんなのどうだっていいんだ!真白に会わせろ、おっさん」
青峰は拳を握り締め群寺を睨む。
群寺はそんな青峰に臆する事なくしゃべり続ける。
「お前、真白に助けられた命無駄にする気か?無駄にするというなら俺と青が許さないぞ」
「・・・」
「大輝」
「っわかーったよ」
青峰は群寺の近くにいた看護師に連れられてレントゲン室へ向かった。
群寺と青峰を除いた5人は青峰が消えるまで見届けていた。
「さてと。残ってくれた少年たちには悪いが彼が終わるまでは此処にいてくれ。真白も今検査中なんだ。今は会えない」
「検査中ってそんなに悪いんですか?」
「・・・いや、悪いとかではないがな」
群寺はお茶を濁すような笑いで誤魔化す。
赤司は目を細め群寺を見る。
とりあえず済まないな、と群寺は少年たちに飲み物代を渡すと病院の人ごみの中へと消えていった。
「・・・アイツ何?ちょームカつくんだけど」
「落ち着け紫原。久遠も検査中とあれば俺らが病室に行っても意味はないのだよ」
「青峰くんも検査無事に終わるといいですね」
「ああ。僕たちには座って祈る事しかできないな」
できれば真白と青峰が無事である様に、と病院のベンチに腰掛けて一言もしゃべることなく待ち続けた。
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