ねーっと黄瀬は俺と黒子の肩を掴んで言ってくる。
が、俺はその掴んでいる手をつねる。
黒子は黄瀬の足を踏んでいた。
「誰が小さいって?好きで小さいわけじゃないんだ。それにモデルならいい機会だ。厄払いしてこいよ黄瀬」
「真白くんに賛成です。小さくなりたいなら穴に入って削ればいいじゃないですか。ほら」
俺と黒子は黄瀬の背中を押して穴の中に無理やり押し込む。
「いたたたた。痛いっス!やめ、やめて!青峰っち笑って写メとってないで助けてくださいっス」
「あ、すまん。黄瀬。あんまりにも無様でな。ぷぷっ」
「青峰っちぃ〜!!」
「バスケ部、うるさいぞ!」
あまりにも大仏殿で騒ぎすぎて全員で先生に怒られてしまった。
緑間や紫原は何もしてないのに、と隣でブツブツ言っている。
赤司なんかいい笑顔で黄瀬と青峰を見ていた。
きっと明日からの練習が楽しいことになっているだろう。
あっという間の3日間だった。
気がついたら帰りの新幹線の中。
はしゃぎすぎたのか緑間と赤司以外は全員眠っている。
静かなのはありがたいが今までが騒がしかったせいで少し寂しい、とまで思えてくる。
「楽しかったかい、真白」
「ああ。程よくな」
「そう言う割にはよく笑っていたのだよ」
「そうか?」
俺は自分の頬を引っ張る。
「でも僕たちと一緒の班で楽しかっただろう?」
「騒がしかったし色々と問題も起きたけどな。でも・・・楽しかった」
小さく楽しかった、と呟く。
赤司はその言葉を待っていたかのようにニッコリと笑った。
「また、来よう。今度はゆっくりと6人で」
「そうだな。回りきれなかった所もあるしな」
まずは来週に待つテストを片付けて、それから・・・
もう中学最後の夏がすぐそこまで来ていた。
(兄貴!群寺さんただいま!)
(おう。おかえり、真白)
(おかえり)
あっという間の3日間!
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