「っ・・・それは悪かったと思ってる。けどこれは警察では扱えない」

「それは何故ですか?」

「それは・・・」

「久遠!!」


青峰の大きな声に振り向くとあの男がまた違うナイフを持って襲いかかる。

青い髪が視界に広がった。


「ぐっ・・・」

「ひゃははははキセキの世代1人撃破〜」


男は青峰に刺したナイフを抜き取りそのまま公園を出ていく。

何が起きた?

誰が刺された?

俺の目の前で流れる血は誰の血だ?


「大輝!」

「青峰っち!」


皆が青峰に駆け寄る。

青峰は俺の代わりにアイツに刺された。

俺の足に青峰の血がつく。


「はっ久遠、ざまぁねえな。これで借りは返したぜっ」

「大輝!動くな!血が止まらなくなるぞ」

「い、今救急車呼ぶっス」


青峰は真っ青な顔をしてヒューヒューと肩で息をする。

赤司は自分のシャツを傷口に当て止血をする。

黄瀬は救急車を呼ぼうと携帯を取り出すが震えてボタンが押せない。

緑間は今日のラッキーアイテムの救急セットをあける。

黒子と紫原はただ立ち尽くしていた。


これは俺のミスだ。俺が巻き込まなければよかっただけの話。

そう・・・アイツらと仲良くなければよかったんだ。

仲良くなったから守りたくなって、一緒にいたいから傷つきたくなくて。

そうじゃなかったらあの場ですぐに能力を使ってた。

もう、遅い。

だったら化け物と言われようじゃないか。

青峰を助けて、姿を消せばいいだけの事。簡単なことだ。

元々こうなる運命だったんだ。ちょっと優しさに触れてたから忘れてただけ。


「赤司、どけ。あと黄瀬救急車なんか呼ぶな」

「っどうしてっスか!?青峰っち見捨てる気っスか!」

「見損なったぞ真白」

「つべこべうるさい。少し黙れ」


シャツを腕捲りして青峰の傷口に手を当てる。


「直接治癒(アクセスヒーリング)」


手から光が溢れ出血を止め、ナイフで刺された傷を治していく。


「久遠・・・?」

「真白くん?」


完全に傷が癒え、青峰の真っ青だった頬も血の気が戻り赤く染まる。


「はっ・・・これで青峰は助かった。青峰を連れてさっさと帰れ。いますぐに」

「どういう事なの白ちん。青ちんに何したの?」

「話してる暇はない。あと巻き込んで・・・」


巻き込んでごめん、そう言いたかったのに俺の意識はそこでブラックアウトした。














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