「起きろ、黄瀬」
「んーもうちょっと・・・」
「真白、こういう時は魔法の呪文だよ」
「ああ。黄瀬。赤司が練習5・・・」
「オハヨウゴザイマッス!」
旅館で迎える修学旅行2日目。
今日は大阪城と造幣局、そして今回の目玉のUHJへと向かう。
造幣局ではお金に目をくらみ盗み出そうとした青峰やコインチョコをたらふく買っている紫原が見受けられた。
「ここが大阪城か〜。デカイし高いっスね」
「豊臣秀吉が天下をとった場所。素晴らしいね」
ここまで城をバックにして似合う男がいただろうか。
俺の記憶ではいない。赤司を除いて。
今なら赤司でも天下とれるんじゃないかと思ったのは心に秘めておく。
「むーお菓子食べたい〜」
「だめですよ。紫原くん。ここは飲食厳禁ですから」
紫原はお菓子を食べれてないことに不満気味で顔の血管がピクピク動き始めている。
「帰ったら前のロールケーキ作ってやるから」
「白ちんホント!?約束だからね」
これで暴れられたら困ると紫原と約束した。
別に元々作る予定ではあったからその予定が早まっただけだ。
2mも超える巨体がのしかかってきて思わず体がバランスを崩す。
倒れる、そう思ったが衝撃はなかった。
ふと上を見ると緑間が俺の体を支えてくれていた。
「まったく。こんなところで暴れられて困るのだよ。大人しく見回るのが礼儀だ」
「はーい。わかってるよ緑ちん」
「ありがとう。緑間。助かった」
「べ、別にどうってことないのだよ」
緑間は少し頬を赤く染め眼鏡のブリッジを上げる。
「真白、敦、真太郎。外へ出て集合写真を撮るそうだ」
「わかった」
大阪城を出たすぐの階段でクラスごとで写真を撮る。
敦は俺と写りたかったのか駄々をこねた。
赤司もなだめるがこの大トトロ以上の男はそれを許さず。
見かねた先生は特別にとクラス全員が終わってから俺たち7人だけで写真を撮ってくれた。
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