今日から3年生のメインイベントと過言ではない2泊3日の修学旅行。
行き先は王道にのっとって京都奈良大阪。
朝駅に集合して新幹線で3時間ほど。
俺も楽しみにしてないというわけじゃない。本当を言うと楽しみだ。
京都は特に好きな土地柄だから何度行っても楽しい。
そう。一緒に行く人さえよければ。
「あー紫原っち俺のチョコ食べたー!」
「だって黄ちんぼーっとしてるんだもん。俺に食べて、って言ってるようじゃん」
「なあ。舞妓さんとか会えるかな?」
「そんなの知らないのだよ!」
「・・・赤司くん。真白くんが頭かかえてます」
「はあ。お前ら静かにしろ」
「むしろなんでいるんだ。青峰と黄瀬以外」
俺の班にいつものメンバーが大集合していた。
青峰と黄瀬が一緒なのは分かる。
同じクラスだから班一緒になろうと決めたのは記憶も新しい1ヶ月前。
しかし残りの4人はクラスも違う。
クラス内で5,6人の班を作るのが当たり前なのだが何故かクラスの枠組みを超えて俺らは一緒にされてしまった。
「先生が僕たちを他の人と組ませるのは相手生徒にも苦痛だろうからいっそのことお前らで組めって言われたんです」
「まあ僕もそっちの方がありがたいからいいけどね」
「人の事言えないがお前らも相当コミュ障だよな」
はぁ、と1つため息をついて窓から景色を見る。
「真白くんは僕たちと組むのは嫌ですか?」
「・・・別に。どこに組まれたって変わらないさ」
「じゃあ僕たちの班でよかったと思わせるような3日間にしようじゃないか。なぁ、テツ」
「そうですね。せっかくの修学旅行ですし皆で楽しまないと」
京都駅へつくまであと――――
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