Kise Side


「よお。黄瀬。どこにいるんだよ」

「本当にくるとは思わなかったっス・・・」


あのメールを送った10分後。

チームメイトが店の外に集合していた。

赤司っちと青峰っちは興味津々、ってのは分かるんスけど他の3人も来るとは正直思わなかった。

だって緑間っちとか「なに絶対くだらないことしてるのだよ」って鼻で笑ってるだろうなって思ったし。

でも皆どことなくそわそわしててそこまで久遠のこと気になるのが分かるっス。

とりあえずマネージャーと店の人には伝えてあるので中に入ってもらう。

静かにお願いするっスよ、と忠告した通り青峰っちも紫原っちも大人しく後についていく。

用意された場所に座り一息つく。


「んで久遠の彼女ってのはどれよ?」

「大輝、あれじゃないか?」

「見えないのだよ・・・」

「ああ。彼女ですか」


赤司っちの指差す方向にいる久遠と彼女と思われる女性。

店の隅にある4人がけのテーブルに腰掛け同じものを食べている。

少し遠いからか話の内容はまったく聞こえない。

が、女性はクスクスと笑っている姿ははっきりと分かる。

それが・・・なんとなくもどかしい。


「相手の人楽しそうですね」

「ああ。アイツも隅におけないのだよ」


黒子っちと緑間っちは割りと落ち着いてそうに見えて落ち着いてない。

だって黒子っちの目の奥に嫉妬が映ってるし、緑間っちに関してはラッキーアイテムのコッペパンがぐちゃぐちゃになってるス。


「・・・」

「大輝。貧乏ゆすりは止めなよ。あと敦、お前人を殺せるような顔やめな」

「でもそれ鋏をテーブルに刺してる赤ちんに言われたくなーい」


何かがおかしい。

これもあれも全部久遠のせい。

あの人が久遠の頭を撫でるから、あの人が久遠を抱きしめるから。


「黄瀬くん。別に君だけがおかしいわけじゃないです。僕たちもおかしい」

「へっ分かってるっスよ。黒子っち」


じっと見てることしかできない。

あの女性が誰なのか、久遠とどういう関係なのか、本当に彼女なのか。

いっぱいいっぱい聞きたいことがあるのに。


「っあ〜もう。我慢ならねぇわ」


青峰っちは立ち上がり久遠の方へ歩く。

それに便乗しようと俺は一緒に立ち上がり青峰っちと一緒に向かう。


「黄瀬くん!?」

「青ちーん?」


黒子っちと紫原っちの声が聞こえる。

でも歩みは止まらず、久遠がいる席でようやく止まる。

後ろからバタバタと皆が来る。


「あら怖い」


女性は久遠を抱きしめるのを止め、俺たちを見ながらほくそ笑む。

久遠は何かを察したのか俺たちの方向に向く。


「お前ら・・・?」


振り向いた久遠の顔はほのかに赤く染まっていた。























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