尊敬でも畏怖でも妬みでも持たず近づける貴方だからこそ2人も熱心に口説いてるのかもね。と桃井さんは言う。
それはどうなのか、本人たちしか分からない。
歩いて20分。
学校の体育館へとついた。
正直しゃべりながら集中を途切れさせない事はものすごく俺にとっては負担で、全速力で1K走ったぐらい体に疲労が溜まっていて。
「ふう・・・疲れた」
「本当にありがとう!恩に着るわっ」
荷物を階段のところに降ろし座り込むと桃井さんに抱きつかれた。
髪の毛や体からふわっと香るいい香り。
柔らかな体・・・そして発育のいい胸。
思春期真っ只中の俺にとってはいい毒で固まって抱きつかれているしかなかった。
「おー2人も何やってんだよ。熱々だなぁ」
「っ大ちゃん!」
体育館から出てきたのは滴り落ちるぐらいまで汗をかいている青峰。
元々お前のせいでこんな風になった。
が、当の本人は悪びれた様子もなく部活に勤しんでいる。
一発殴ってやろう。
そう思って立ち上がった瞬間、青峰が後ろに倒れた。
「えっ?」
隣にいる桃井さんがはぁはぁと息を荒げ顔を真っ赤になっている。
・・・そう。
桃井さんは自分と青峰の身長差を忘れるような見事な後ろ蹴りをかました。
桃井さんの足が青峰の胸元に当たる。見事なトラース・キックだ。
大きな音を立てて青峰が倒れるものだから体育館にいた部員が全員こちらの方を見てくる。
黄瀬が大笑いしてるのが見える。
「元々大ちゃんが勝手に帰らなければよかったのよ!しかも久遠くんにそんな事言って!謝りなさい!」
「ってぇ・・・さつき何カリカリ怒ってるんだよ。生理か?」
「さいってぇー!!!!」
本当に桃井さんが怒っているのがわからないのか青峰は追い討ちをかける。
上体だけ起こした青峰の股間をローファーのまま桃井さんは思いっきり踏んだ。
うわぁ・・・あれは痛い。
青峰は痛みで蹲り悶絶している。
あの痛みを想像したのが半数以上の部員は自分の股間を手で覆った。
(ふんっ。いい気味だわ)
(・・・女はやっぱり怖い)
人の気持ちも知らないで!
やっと出てきた桃井さん。
ただ股間を蹴るシーンが書きたかっただけ
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