「もー!大ちゃんたらー!」
帰り道。
スポーツ用品店の前を通ると桃色の髪の女子生徒が大荷物を地面に降ろし怒っていた。
よく見ると女子生徒は俺と同じ学校の制服で。
でもこんな色の頭の子いたかなぁ・・・と交流少ない俺の人脈を辿っていくがそれらしき人はおらず。
見知らぬ人と言えば見知らぬ人だが、そうじゃないといえばそうではない。
助けるべきか否か。
そう頭の中で考えていたら、女子生徒の方が俺に気づいたらしく寄ってくる。
「君、久遠真白くんよね?」
「えっ・・・ああ。そうだけど君は?」
「あ。ごめんなさい。私男子バスケ部のマネージャーの桃井さつきよ」
女子生徒、桃井さんは俺のことを知っていた。
まああらかた知った経路は予想つくが。
さつき・・・?
そういえばどこぞの青い頭の青峰がよく宿題を渡された時に言う「さつき」が頭によぎる。
『お前今日の宿題やってきたか?』
『あー?ああ。あれならさつきにやらせた』
『また桃っちにやらせたんスか!?青峰っち流石に可哀想スよ!』
この「さつき」だろうか?
顎に手を置き考えていると、ああ。と桃井さんは何か納得したかのように俺の手を握る。
「私青峰大輝の幼馴染なの。それで、その大ちゃん・・・青峰くんと部活の買い出しに来て、目を離した隙に青峰くんどっか行っちゃって」
今日は沢山買い出しがあったから私だけじゃもって帰れないのに!と桃井は地面に降ろしてある重そうな袋4つを見ながら怒る。
幼馴染か・・・ってことはあの「さつき」は彼女のことだったのか。
にしても青峰は薄情な奴だ。
流石にこの荷物を尻目に何処かへ行ってしまうなど自分勝手もいいところ。
まあ部活しに戻った、ってところだろう。
そろそろ部の昇級テストが近いからうかうかしてられないとか黄瀬も言っていた事だ。
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