体育は基本2クラス合同で行われる。
教師はバスケ部をバラし力を平等にした上でチームを形成した。
中には文句を言うヤツもいたがそうでもしなければ試合にならないことぐらいはわかるだろう。
そして、俺がいるチームの試合が始まる。ゼッケンをつけ、整列する。
「あれ。久遠が相手なんスね」
「黄瀬・・・さっきぶりだな」
目の前には黄瀬。バスケ部のレギュラーに勝てるわけない、と横にいるチームメイトは怖気つく。
ピーっと教師が笛を吹き試合開始。
ボールは黄瀬のチームが取り、予想した通り黄瀬がダンクを決めた。数秒の出来事だった。
「どうっスか?久遠。俺のダンクは」
黄瀬は笑う。まるでもう勝負がついたかのように。
俺のチームの攻撃、3Pゾーンにいた俺の元へパスが周りそのままシュートをする。
ボールはゴールネットに触れずに潜った。
「ダンクがどうだって?黄瀬」
「上等っスよ!」
点を取ったら取り返す。
取り返されたら、取る。
攻防の応酬。
そして・・・
ガタン!
黄瀬のダンクが決まる。
ピピー
まるで狙っていたかのようなタイミングで試合を終了する笛が鳴る。
60−58
黄瀬のチームの勝利が決まった瞬間だった。
「今回は俺の勝ちっスよ。真白!」
「畜生。次は負けない」
お互い息も上がり汗も滝のように溢れシャツでは拭いきれない。
俺と黄瀬は顔を見合わせ笑い、ハイタッチを交わした。
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