出来上がったロールケーキも女子が作ってくれたミネストローネも絶品で。


「久遠くんお菓子作り上手なんだね〜!」

「このスポンジふわふわだよぉ」

「・・・うめぇ」

「店のより美味しいっス」

「ありがと。このミネストローネも美味しい」


班の皆も先生もすごく褒めてくれた。

人に褒められる事があまりない俺にとって一言一言がむず痒く思わず俯く。

きっと俺の顔は真っ赤に染まっているだろう。

ロールケーキは予想以上に大きく5人では食べきれず2つずつお持ち帰りすることになった。




青峰と黄瀬は先生に放送で呼び出され、俺は教室へ1人で戻る。


「あれ?白ちん?」

「紫原か。学校で初めて会ったな」


紫原とはちょくちょくコンビニでは会っていた。

ただ学校では何かの運なのか会ったことなく。


「そうだったねぇ〜。あ、白ちんのクラス調理実習だった?」

「ああ。ついさっき終わったとこ」


ほら、今日作ったロールケーキ。と紫原に見せる。

ロールケーキを見せると目を輝かせ俺の肩を掴む。

痛い通り越して怖い、と思ったのは内緒。


「ねぇ、白ちん。それ頂戴?」

「い・・・言うと思ったよ。1個でいいか?」

「うん!2個とも欲しかったけど1個で我慢してあげる〜」


紫原に1個ロールケーキを渡す。

するとすぐにむしゃむしゃと食べ始める。

生クリームが指や顔についてもお構いなしに食べ続ける。


「んーおいしっ。コンビニのより美味しいよ〜。ありがとね、白ちん」

「そ、そうか?」

「ね。また今度作ってよ。俺1個じゃなくて1本まるまる食べたい」


1本は食いすぎだろって思ったがコイツならそれぐらい食べそうだ。

にしても美味しそうに食べてくれる紫原の食いっぷりは見ていて気持ちがいい。

じーっと食べてる様子を見ていると食べ終わった紫原が首をかしげた。


「どうしたの?」

「いや、美味しそうに食べるなぁって思って見てただけだ」

「美味しそうじゃなくて美味しいんだよ」


そう紫原が言うと指についた生クリームを俺の口へと付ける。

唇についた生クリームを舌でペロリと舐める。


「甘い」

「美味しいじゃん、甘くてさ」






(んふふ。お菓子食べてる時が一番幸せ)

(そうか、そうか。だけど食べ過ぎはダメだぞ)

(わかってるよー)





こうも褒められすぎると自分の中でおかしくなりそうで。






話外でよく会っていた2人。

調理実習の内容は数年前実際に管理人がやっていた事です。








 




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