「久遠じゃねーか。とうとうバスケ部に入る気になったか?」

そうかそうか。バスケは楽しいもんなぁ〜と笑いながら俺の背中をバシバシ叩いてくる。

手加減という言葉を知らないのか力任せに叩いてきて正直痛い。

自然と眉間に皺がよる。


「ちげぇ。先生からお前宛のものを預かったから渡しに来ただけだ」

「俺宛の?」

「これだよ、期限は明日までらしい。提出しなかったわかるよねぇ?」


赤司はプリントを青峰に渡す。

どこからか出してきた鋏を片手に。コイツ目が笑ってない。

こんなすぐに渡せるなら赤司を介しなくてもよかったなぁ、と心の中でつぶやく。

青峰はめんどくさそうにプレゼントを受け取り頭をガシガシとかく。

俺は青峰が受け取ったことを確認して、踵を返す。


「おい、どこに行くんだ?」


青峰は驚いて俺の肩を掴む。


「どこ行くって帰るんだよ。ここでの用事はプリントをお前に渡すことだからな。それに部外者は立ち入り禁止なんだろ主将さん?」

「ああ・・・そうだがいい機会だ。次のミニゲームやっていかないか?涼太を抜き、大輝や涼太から推薦する君の実力を見てみたいんだ」

「あ?」


赤司はコートに指を差し笑顔で言う。

ミニゲームやっていけ?ふざけているのか、コイツは。

ここにいる部員はあの帝光バスケ部の1軍。氷山の一角。

そいつらを相手に部員でもない一生徒とミニゲームだなんて頭おかしい。

じっと赤司を見る。できれば止めろと抗議の念を込めて。


「おおー。そりゃいいな。俺とやろうぜ、久遠」


青峰は楽しそうに笑い、俺の頭をぐりぐりと撫でる。

先ほどの疲れはなんのその。

やはり現役バスケ部員の体力は限界を知らないようだ。


「残念だが大輝。次は真太郎だ。君は真太郎のチームに入るといい」


緑色の髪の背の高い奴がいるだろう?彼だよ。と赤司は緑間を指差し説明する。

指差す方向にいたのはいつぞか中庭で会った彼だった。

緑間と会ったのははあの中庭の1回きりで頭の隅に追いやられていた。




















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