「どうだ。数年前の自分は?」
「群寺さん趣味わりぃ・・・」
「悪いのはお前だろう。お前が最も恐る敵って言ったから言うとおりにしたまでだ」
群寺さんはクククと喉で笑い、俺にコーヒーを渡す。
缶のプルタブを開け、一口飲む。
コーヒー独特の苦味と酸味が口いっぱいに広がる。
そういえばいつからコーヒー飲めるようになったんだっけ、と考えながらもう一口、もう一口とコーヒーを嚥下する。
「お前もだいぶ丸くなったな。こっちの方が可愛げあるよ」
「なにそれ。褒め言葉って受け取ればいいの?」
「どうとでも。それ飲んだら捜査に向かえ。青にはもう伝えてある」
「りょーかい」
群寺さんはトレーニングルームから出て行く。
俺はコーヒーを一気に飲み干す。
そして空き缶をゴミ箱へ投げ入れた。
シュッと綺麗な円をかいて入るそれを見届けてトレーニングルームを後にした。
(兄貴ー捜査行こうぜー)
(ああ)
自分が変わったのは紛れもなく貴方たちのおかげで。
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