青峰はコンビニの袋を引っさげて自宅へと歩いていた。
ダムダムとドリブルの音が聞こえる。
バスケがしてぇなーと思いながら、もしかしたら混ぜてくれないかな、とか色々な思いを馳せながら音のする方向へ。
「ここストバス場じゃん」
いつも仲間と練習や遊びに行くストバス場。
だれか行くなら行くで連絡してくれればいいのに、と青峰はブツブツ言いながらもコートを覗く。
覗いた先にいたのは意外な人物で。
「アイツ・・・」
コートに立つのは自分の相棒の黒子よりも小さい体。
つい最近席替えをしてから仲良くなった久遠真白。
いつも見慣れている制服ではなくTシャツに半パンとラフな格好で汗を流しながら1人シュート練習をしていた。
青峰は声をかけずじっと練習を見続ける。
崩れることのない基本に忠実なフォーム。
1球1球丁寧に打っていく。
見始めてから今まで1球もゴールから外れていない。
人並みならぬ集中力。
「アイツみてぇ・・・」
青峰はふと同じチームメイトの緑色の髪をした男の姿を頭によぎる。
もっと近くで見たい、と1歩1歩真白の方へ歩み寄っていく。
「フォーム、綺麗だな」
思わず口が滑ってしまった。
ピクリと肩を震わせ振り向くと案の定彼だった。
いつ見ても怒ってるのか?と聞きたくなるような眉間のシワ。
全身から吹き出る汗と赤くなった頬。
「見てたのか。お前のダンクの方がかっこいいって」
俺の身長ではどうも無理だがな、と真白は笑う。
真白はまた1つシュートを放ち、それが綺麗に決まるのを見届けると「っし」と小さくガッツポーズ。
そんな嬉しそうな顔は学校では見たことがない。
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