本棚の奥から現れた水色頭。
青峰や黄瀬からは影が薄いと紹介を受けていた彼、黒子。
黒子はじーっと俺の方を見つめる。
「なんで黒子がここにいるんだ?先生図書室からでろって言われなかったっけ?」
「ええ。ちょっと端で居眠りしてたら先生が気づいてくれなかったようです」
すごい物音で飛び起きると本が独りでに動いていたり、
久遠くんの大声が聞こえたり、
ユニークなことをされてたみたいで見学させていただきました。
ケロリと黒子は言う。
その瞳には恐怖などは映ってない。
いつもどおりの何考えているかわからない水色だけが映っていた。
はぁーと大きくため息をつく。
確認をせずにおっぱじめたのは俺のせいだから黒子を責めても仕方がない。
(真白。ここは穏便に済ませたい。ヤれ)
(ったく。この能力(ちから)だけは使いたくなかったが・・・)
声(テレパシー)で兄貴と目配せをする。
「黒子」
「はい」
ピタリ
俺は黒子の額に人差し指を当てる。
「お前は何も聞いていない、見ていない。いいな」
「久遠くん、一体何を・・・・」
「記憶忘却(ドロウ)」
黒子は何かを言いかけたが無視して能力を使う。
人差し指から光がでて黒子は意識を失う。
ドサッ
俺の方に傾いた黒子の体を支える。
「兄貴。俺黒子が目覚めるまで学校にいるわ」
「ああ。わかった。あまり遅くなるなよ」
兄貴は先に図書室から出て、俺は黒子を背負って保健室を目指した。
保健の先生には閉館時間になあっても起きないから寝かせてほしい、と嘘をつきベッドへ寝かせる。
黒子が目覚めるまでは待ってると保健の先生に伝え、適当な椅子に座り携帯で捜査報告をして時間を潰した。
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