赤司 Side

テスト週間で放課後の部活は休み。

テスト週間だから焦って勉強、とは僕はならない。

大輝や涼太は焦るだろうし、テツヤや真太郎はゆっくり自分のペースで勉強をすすめるだろう。敦はどうかな?


「あー!やっちまった」

「もうボールないぜ〜」

「あんなところ取れないよ」


残念そうに話している子供たち。

よく見ると公園の一番大きな木にボールが引っかかっているらしい。

あの子供たちではきっと届くことはないだろう。

大人が脚立にでも登ってやっと手が届く範囲。

敦だったらなんなく届くだろうが。

周りを見ても大人は1人もいない・・・いや、1人大人とは呼べないがあの子供達よりも大人なヤツがいた。

久遠真白。

最近大輝や涼太からよく名前を聞く彼。

『怖い顔してるけど優しいんス』

『あいつのバスケは見てて楽しいぜ』

話はよく聞くが実際に見るのは初めてだ。

じっと僕は彼の様子を観察する。

彼はベンチに座り子供たちの方を瞬きもせずに見ていた。

ゆっくりと小さく口が開く。


「!?」

「ボールが落っこちてきた!」


子供たちがはしゃぐ声。

風でも吹いていないのに独りでにボールが落ちてきたという。


「まほーみたいだったな」

「うん。でも母ちゃんに怒られるよりましだよ!」


子供たちは不思議そうにボールと木を何度も交互に見て、首をかしげる。


「ケンジー?なにやってんだよー!」

「今行くー!」


仲間だと思われる子が呼びに来る。

魔法、か。

確かにそうともとれるだろう。

久遠が何か呟いた瞬間にボールが落ちたというならば・・・彼はもしかして?

いやそんな非科学的な事があるわけがない。

そういえば、

子供たちばかりに気を取られて、ベンチの方を見るとそこは誰も座っていなかった。


「久遠・・・真白か。面白そうだね」






(今度大輝たちに連れてきてもらうか)
(ぞくっ!?)
(どうした?)
(いや、寒気が・・・)



赤司と真白の一方的なコンタクト。
次は捜査へ






 




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