放課後、学校の近くの公園で。
声(テレパシー)で届いた兄貴の声と要件。
今日は捜査らしい。
一旦家に帰って着替えるのも億劫でそのまま公園へ向かった。
公園のベンチに座って兄貴が来るのを待つ。
砂場や遊具で子供たちはキャッキャと楽しそうに遊んでいた。
「あー!やっちまった」
「もうボールないぜ〜」
「あんなところ取れないよ」
ふと声のする方へ顔を向けると公園の大きな木にボールが引っかかっていた。
あの子供たちでは・・・いや、俺でも届かないところにあるボール。
紫原や緑間がいたらすぐに取れたんだろう。
でも、
じっとボールを見つめる。
「念力・念動作用(キング)」
僅かにふわりとボールを浮かす。
誰にも気づかれないように
ポテン
「!?」
「ボールが落っこちてきた!」
子供たちは喜び、落ちてきたボールを広い広場へ向かう。
そんな無邪気な姿を見て笑う。
「よかったな」
小さく呟く。
「真白」
声(テレパシー)で兄貴が呼びかける。
公園の出入り口に兄貴はいた。
捜査、がんばるか。と自分の頬を叩き兄貴の元へと向かった。
近くて赤がじっと見ていることに気づかずに。
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