レジを済ませて、外へ出る。
さて帰るかと思った時に大男はちょっとまってーと呼び止めた。
「何?」
「これあげるー、シュークリーム譲ってもらったしー」
そういうと大きな袋から1本のまいう棒コンポタ味。
「別にいいのに」
というか譲ったのはお前の誘導だろう、と言いたかったが余計だろうと口を紡ぐ。
「いいのー。というか君帝光なんだ。俺もなんだよ」
「え?お前中学生なのか?」
「そうだよー。帝光2年の紫原敦っていうんだ。君は?」
大男、基紫原はポテチの袋を開けてバリバリと音を立てて食べる。
「同じく2年久遠真白」
「ああー。峰ちんたちが言ってた久遠って君のことだったんだね〜」
「あいつら何か言ってたのか?」
まさか自分の名前だけが1人歩きするようになるとは思わなかった。
「んー。あいつバスケうまいし部活に入れたいーって言ってた。でも驚かすために内緒で・・・・ってやっべ」
内緒なのに普通に白ちんに言っちゃたよ、と紫原は言う。
2年も中盤なのに今更部活なんて入るバカはいないだろう。
めんどくさい奴らに絡まれたものだと人ごとのように考える。
「シュークリームくれたし、白ちんいい人っぽいから俺は入るのにさんせーかな。どう?入らない?」
「断る。放課後は忙しくてそんなことしてる場合じゃないんだ」
「えー。いいじゃんー」
まるで子供のように紫原は駄々をこねる。
見た目は立派な大人なのに中身は子供な紫原を笑い、俺は歩き始める。
「入らないものは入らない。じゃーな。次は学校で」
「まあいいやぁ。バイバーイ」
明日隣と前から来るであろう勧誘に1つため息を付いて帰路につく。
「ただいま、兄貴」
(待って言ったのに嘘つき!)
(しょうがないだろう。捜査任務が入ったんだ)
青の前では年相当な振る舞いをする真白くん。
大男な紫原くんとの出会い。
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